熱中症というと暑い夏の時期だけを想像しやすいのですが湿度が上がってくる6月頃から熱中症の患者さんは増加してきます。人の熱中症の6割は屋内で起こっている*1と言われており動物たちも日中室内にいることで知らない間に熱中症になっている可能性があります。
*1:消防庁:熱中症による緊急搬送状況2017
家の中で熱中症になることが多いなんて意外だったっす
もちろん散歩中など外出時にも注意が必要だよ
次に日本気象協会から出ている対策マニュアルについて見ていきましょう
散歩時の注意点
大人の人と子どもや動物達では地面からの高さが異なります。そのため同じ外気温でも地面が近いと輻射熱などの影響を受けやすくなってしまうため注意が必要です。散歩にでる前に一度地面を触ってみるのもおすすめです。
散歩のポイント
- 早朝や夕方の日が落ちた後などがオススメ。地面を触って5秒程度耐えれなかったら肉乳が火傷してしまう可能性大です。
- 草っ原や土などの散歩コースがおすすめ。湿度が多いと気温が高くなくても熱中症のリスクが高まるため注意が必要です。
- こまめに水分摂取ができるようペットボトルなどを持ち歩くとGOOD。パンティングといってハァハァが増えたら日陰で休んであげましょう。
熱中症の症状について
熱中症の症状って熱が高くなるって言われるけど体温を測定できない時はどうするの?
体温が高くなくても熱中症になることがあるので次の症状があれば注意して休むなどをしてあげましょう
初期症状
- ハァハァと呼吸をしている。(パンティング)
- よだれが大量に出ている。
- 歯肉や舌などの粘膜が充血している。赤くなっている。(うっ血)
- 心拍が早い。(通常の心拍は小型犬で120回前後です)
重症化した時
- ぐったりとして意識がない
- 下痢・嘔吐などがあり震えている。
- 意識が弱い、またはない。
- けいれん発作が起こる。
重症化した場合は生命の危険があるため次の応急処置を行うかすぐに病院へ行くことが大切です
応急処置
- 常温の水をかける(冷たい水は発作などを起こす可能性があります)
- 水で濡らしたタオルなどで包む
- 涼しい場所に連れていき風をおくる
- 喉から首にかけて
- 脇の下
- お股部分(そけい部)
予防と対策
屋内編
- 室内を自由に移動できるようにしておく
- (自由にできないなら)直接日光が当たらない場所にケージを置く
- 風通しをよくする
- 室内の温度は26℃以下にする(動物がいる場所に温度計を置く)
屋外編
- 散歩の時間を調整する
- 常温の水を持っていく
- タオルや保冷剤などの冷却グッズを持参する
- うちわや携帯扇風機などを持っていく
車内編
- 車に入る前にクーラーで冷却する
- 窓を完全に閉め切らない(外に出ないようにキャリーなどに入れる)
- 動物を車内に置いていかない(短時間でも熱中症のリスクがあります。)
まとめ
散歩や外出から戻ってきた時にいつも様子が違うなどの変化があれば早めに病院を受診することが大切ですね。
まとめ
- 外出時には熱中症対策の準備をしておくこと
- 地面から近い動物の方が高温になりやすいことを覚えておく
- 場所別の対策方法を予習しておき何かあった際には早めに対処する
- 症状の改善がなかったりいつもと違う様子であればすぐに動物病院に連れていく
- イヌ・ネコの熱中症予防対策マニュアル(日本気象協会)
- 犬とネコの救急医療プラクティス(緑書房)
- 犬の治療ガイド2020、猫の治療ガイド2020(エデュワードプレス)
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